映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~(ネタバレアリ)
86年の大長編ドラえもんのび太と鉄人兵団のリメイクである本作。
昨年末から映画館で予告編を見るたびにテンション上がっていたのですが、ようやく観れました。
ちなみにその予告編(映画公式サイトの劇場予告編02で見れます)、
もし予告編大賞というものがあるなら今のところ去年~今年見た中で
ベスト1にしたい程の出来なのですが、映画本編と結構違っていて、
いい意味で予告編詐欺でした。
本編の出来ですが、これはかなり見事なリメイクだったと思いますよ。
オリジナルにあった要素はほぼ漏らさず(もしくは上手く改変して)取り込んだ上で、ある目的のために加えられた新要素が非常に効果的に
働いていました。
ある目的というのは、もうホント簡単に言ってしまえば泣かせるための
要素です。
そう、このリメイク版はオリジナルと比べて二重三重に涙腺を刺激する仕掛けが施してあります。人によってはベタすぎると、反感を持つかもしれませんが、今の時代、エンターテイメントはここまで分かりやすくベタにやらないとダメなんだろうなぁと思うので、僕はこの路線には大賛成…というか、僕自身ボロボロに号泣させられてしまったので、賛成せざるを得ないんですよ!
では、ネタバレアリの感想は続きを読むをクリックしてご覧ください。
まずオープニング。オリジナル版は空き地でのび太としずかちゃんがスネオのロボット(ミクロス)に
驚かされるというーンから始まりましたが、今回のリメイク版では、はるか昔にとある博士がアムとイムを
作っているシーンから始まり、それから時が経ち鉄人兵団の大群が地球に侵攻しようとする所まで
が描かれています。オリジナルがTV的ならば、今回はより映画的な出だしになっていました。
そして、博士がアムとイムを作るシーンでロボットの心を司る部品として、「感情」「欲望」「思考」を
表す三つの星が出てきますが、三つという数字はアシモフのロボット三原則を思い起こさせ、
心を司るパーツは石ノ森章太郎先生のキカイダーの良心回路を思い起こさせ、
更に、博士の外見は手塚キャラを思い起こさせるデザインです。
このオープニングは藤子・F・不二雄を通して、SFや、氏の恩師である手塚先生、仲間だった石ノ森先生にまで
オマージュを捧げているのではないか……というのは考えすぎですかね?
また、このシーンでは『アムとイムの歌』という挿入歌が流れます。
今回のリメイク版では歌が重要な要素となっていますが、特にこの歌は、劇中で三回も流れ、
オリジナル版の名曲『わたしが不思議』に勝るとも劣らない重要曲となっています。
いや、つーか今回挿入歌多いし、アムとイムの歌は普通に名曲なので、サントラは是非出して欲しいんですけどねぇ…。
さて、この後オリジナルと同様に空き地のシーンを経て、のび太がドラえもんに巨大ロボットをねだるシーンが
くるのですが、ここで大山ドラとわさびドラの違いが端的に現れていました。
大山ドラはそんなロボットいくらすると思ってるんだと怒り、わさびドラは僕がいながら他のロボットを欲しがるなんてと怒る。
つまり大山ドラはのび太の保護者的な役割が強く、わさびドラは友達として描かれているわけです。
これはどちらがいいという問題ではないですが、わさびドラが大山ドラを否定する事なく、違うドラえもん像を
キチンと作り上げてるんだなぁと感心しました。
また、このドラえもんが嫉妬で怒るシーンでは劇場の子供達がケラケラと笑っていたのが心地良かったです。
他にも、のび太のママが色んな人間に三連続で家が狭いと言われて怒る天丼シーンや、
ジュドの頭脳に、ほんやくコンニャクを乗せるものの、暴れるために言葉が聞き取れたり
聞き取れなかったりして、みんなが怒るシーンなど、ギャグもよく練られていたと思います。
子供達と一緒になってついつい笑わされてしまいました。
では、ここで今回のリメイク版の最大の改変であるオリジナルキャラ、ピッポについて。
オリジナル版では終盤はしずかちゃんとリルルの話がメインになった結果、
主人公であるのび太の影が薄くなるという弱点がありましたが、リメイク版では
しずかちゃんとリルルの関係と並行してピッポとのび太の関係も描くことによって
その弱点を解消していました。
と、同時に一足先にのび太達と仲良くなったピッポが説得する事によって、リルルが
人間側に寝返る事の説得力も増す事になりました。
また、最初にこのリメイク版は泣かせると書きましたが、前回はリルルとの別れだけだったのに対し、
今回はピッポとの別れも描かれるので、単純に二倍の効果があるわけです。
正直、僕もリルルとの別れだけなら我慢出来たのですが、ピッポとの別れの波状攻撃には耐えれませんでしたよ!
まぁその分、わりをくったのがミクロス。コメディリリーフとしての役割はピッポに取られ、
「過去に帰って神様に文句を言う」「ロボットが涙を…」といった重要なセリフはリルルに言われてしまいます。
いるのかどうかわかりませんが、ミクロスファンは怒るでしょうねw
ただ、不満点もあるにはあります。
しずかちゃんとリルルがタイムマシンに乗って博士に会いに行くシーンなのですが、
もともとご都合主義な展開ではあるものの、オリジナル版では時間をさかのぼった上で
ワープを繰り返すという描写があり、最低限の言い訳は出来ています。
しかし、今回はタイムマシーンで過去にさかのぼっただけに見えてしまうので、
それでどうしてメカトピア星に行けたのかが理屈に合わないように感じてしまう。
あと…これはもう観る側の問題なので言っても仕方ないんですが、
リルルの声が沢城みゆきさんってのがねぇ…。
もちろん、沢城さんは上手かったです! 演技自体に問題は全くありません。
ただ…あまりにも色んな深夜アニメで声を聴き過ぎたせいで、どうしても
リルルが喋ってるというより沢城さんが喋ってると感じてしまうんですよね。
リルルはもうちょっと手垢のついていない人にやって欲しかったかな…。
最後に、しずかちゃんとリルルについて。
もともと藤子・F・不二雄先生の書く女の子はなんかえっちぃのですが、
今回の映画はシンプルながらもムチムチした線でよりえっちぃかったと思います!
正直ちょっとね…しずかちゃんは今時の萌えアニメのキャラより可愛いと
思ってしまいましたよ(まて、彼女はランドセル背負ってる小学生だぞ!)
というわけで、今回の新・鉄人兵団のしずかちゃんとリルルの薄い本が出たら全力で買いたいと思います(最低だな!)
昨年末から映画館で予告編を見るたびにテンション上がっていたのですが、ようやく観れました。
ちなみにその予告編(映画公式サイトの劇場予告編02で見れます)、
もし予告編大賞というものがあるなら今のところ去年~今年見た中で
ベスト1にしたい程の出来なのですが、映画本編と結構違っていて、
いい意味で予告編詐欺でした。
本編の出来ですが、これはかなり見事なリメイクだったと思いますよ。
オリジナルにあった要素はほぼ漏らさず(もしくは上手く改変して)取り込んだ上で、ある目的のために加えられた新要素が非常に効果的に
働いていました。
ある目的というのは、もうホント簡単に言ってしまえば泣かせるための
要素です。
そう、このリメイク版はオリジナルと比べて二重三重に涙腺を刺激する仕掛けが施してあります。人によってはベタすぎると、反感を持つかもしれませんが、今の時代、エンターテイメントはここまで分かりやすくベタにやらないとダメなんだろうなぁと思うので、僕はこの路線には大賛成…というか、僕自身ボロボロに号泣させられてしまったので、賛成せざるを得ないんですよ!
では、ネタバレアリの感想は続きを読むをクリックしてご覧ください。
まずオープニング。オリジナル版は空き地でのび太としずかちゃんがスネオのロボット(ミクロス)に
驚かされるというーンから始まりましたが、今回のリメイク版では、はるか昔にとある博士がアムとイムを
作っているシーンから始まり、それから時が経ち鉄人兵団の大群が地球に侵攻しようとする所まで
が描かれています。オリジナルがTV的ならば、今回はより映画的な出だしになっていました。
そして、博士がアムとイムを作るシーンでロボットの心を司る部品として、「感情」「欲望」「思考」を
表す三つの星が出てきますが、三つという数字はアシモフのロボット三原則を思い起こさせ、
心を司るパーツは石ノ森章太郎先生のキカイダーの良心回路を思い起こさせ、
更に、博士の外見は手塚キャラを思い起こさせるデザインです。
このオープニングは藤子・F・不二雄を通して、SFや、氏の恩師である手塚先生、仲間だった石ノ森先生にまで
オマージュを捧げているのではないか……というのは考えすぎですかね?
また、このシーンでは『アムとイムの歌』という挿入歌が流れます。
今回のリメイク版では歌が重要な要素となっていますが、特にこの歌は、劇中で三回も流れ、
オリジナル版の名曲『わたしが不思議』に勝るとも劣らない重要曲となっています。
いや、つーか今回挿入歌多いし、アムとイムの歌は普通に名曲なので、サントラは是非出して欲しいんですけどねぇ…。
さて、この後オリジナルと同様に空き地のシーンを経て、のび太がドラえもんに巨大ロボットをねだるシーンが
くるのですが、ここで大山ドラとわさびドラの違いが端的に現れていました。
大山ドラはそんなロボットいくらすると思ってるんだと怒り、わさびドラは僕がいながら他のロボットを欲しがるなんてと怒る。
つまり大山ドラはのび太の保護者的な役割が強く、わさびドラは友達として描かれているわけです。
これはどちらがいいという問題ではないですが、わさびドラが大山ドラを否定する事なく、違うドラえもん像を
キチンと作り上げてるんだなぁと感心しました。
また、このドラえもんが嫉妬で怒るシーンでは劇場の子供達がケラケラと笑っていたのが心地良かったです。
他にも、のび太のママが色んな人間に三連続で家が狭いと言われて怒る天丼シーンや、
ジュドの頭脳に、ほんやくコンニャクを乗せるものの、暴れるために言葉が聞き取れたり
聞き取れなかったりして、みんなが怒るシーンなど、ギャグもよく練られていたと思います。
子供達と一緒になってついつい笑わされてしまいました。
では、ここで今回のリメイク版の最大の改変であるオリジナルキャラ、ピッポについて。
オリジナル版では終盤はしずかちゃんとリルルの話がメインになった結果、
主人公であるのび太の影が薄くなるという弱点がありましたが、リメイク版では
しずかちゃんとリルルの関係と並行してピッポとのび太の関係も描くことによって
その弱点を解消していました。
と、同時に一足先にのび太達と仲良くなったピッポが説得する事によって、リルルが
人間側に寝返る事の説得力も増す事になりました。
また、最初にこのリメイク版は泣かせると書きましたが、前回はリルルとの別れだけだったのに対し、
今回はピッポとの別れも描かれるので、単純に二倍の効果があるわけです。
正直、僕もリルルとの別れだけなら我慢出来たのですが、ピッポとの別れの波状攻撃には耐えれませんでしたよ!
まぁその分、わりをくったのがミクロス。コメディリリーフとしての役割はピッポに取られ、
「過去に帰って神様に文句を言う」「ロボットが涙を…」といった重要なセリフはリルルに言われてしまいます。
いるのかどうかわかりませんが、ミクロスファンは怒るでしょうねw
ただ、不満点もあるにはあります。
しずかちゃんとリルルがタイムマシンに乗って博士に会いに行くシーンなのですが、
もともとご都合主義な展開ではあるものの、オリジナル版では時間をさかのぼった上で
ワープを繰り返すという描写があり、最低限の言い訳は出来ています。
しかし、今回はタイムマシーンで過去にさかのぼっただけに見えてしまうので、
それでどうしてメカトピア星に行けたのかが理屈に合わないように感じてしまう。
あと…これはもう観る側の問題なので言っても仕方ないんですが、
リルルの声が沢城みゆきさんってのがねぇ…。
もちろん、沢城さんは上手かったです! 演技自体に問題は全くありません。
ただ…あまりにも色んな深夜アニメで声を聴き過ぎたせいで、どうしても
リルルが喋ってるというより沢城さんが喋ってると感じてしまうんですよね。
リルルはもうちょっと手垢のついていない人にやって欲しかったかな…。
最後に、しずかちゃんとリルルについて。
もともと藤子・F・不二雄先生の書く女の子はなんかえっちぃのですが、
今回の映画はシンプルながらもムチムチした線でよりえっちぃかったと思います!
正直ちょっとね…しずかちゃんは今時の萌えアニメのキャラより可愛いと
思ってしまいましたよ(まて、彼女はランドセル背負ってる小学生だぞ!)
というわけで、今回の新・鉄人兵団のしずかちゃんとリルルの薄い本が出たら全力で買いたいと思います(最低だな!)
by koshibaken
| 2011-04-05 13:37
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by koshibaken
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