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ガッチャマン(ネタバレアリ)

もったいない

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2013年/日本
公開:2013年8月24日 上映時間:113分

監督: 佐藤東弥
脚本: 渡辺雄介

キャスト:松坂桃李、綾野剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平、初音映莉子、光石研、中村獅童、岸谷五朗他

ストーリー:21世紀初頭。謎の侵略者によって、たったの17日間で地球の半分が壊滅的な被害を受ける。侵略者から地球を守るため、“石”という特殊な結晶体の力を引き出せる適合者が集められる。適合者は800万人に1人。施設に集められた適合者は特殊エージェントとしての訓練を受け、石を操る忍者、ガッチャマンとして侵略者と戦うべく立ち上がる。(シネマトゥデイより)


タツノコプロのガッチャマンは子供の頃に放送してたんですけど、バタ臭い
キャラクターがあまり好みではなかったので、ほとんど見てませんでした。
ですので、今回の実写版ガッチャマンに関しては原作と比べてどうこう言う
つもりは全くありません。あくまで一本の新作映画として観ての感想です。

まず映像は予想以上に良かったです。最近の仮面ライダーの映画などでも
アクションはいいのにCGになると途端にショボくなるという事が邦画ではよく
ありましたが、本作のCG合成は素晴らしかったと思います。特に冒頭のシーンは
新宿という日本で最も人に見知られている街を舞台に、しかも日中というごまかしの
効かない条件で、「トランスフォーマー」や「アベンジャーズ」とも渡り合える破壊
シーンを作ってやろうという気概を感じて、嬉しくなりました。

役者陣も総じて良かったと思います。ひどい棒もいなければ、ヒーローもの映画
だからと変に力の入った演技をする人もいなくて良かったです。剛力さんも役柄に
助けられたのか(メインヒロインではなく、どちらかというとギャグ担当)普通に
可愛かったです。可愛いといえば濱田龍臣くんは時々女の子にしか見えないくらい
可愛くてヤバかったですね!(そんな感想を持つお前がヤバい)
あと、初音映莉子さんはベルク・カッツエの時の声がスゲエ良かったです。
硬質で高く澄んだお声にM心がビンビン刺激されました。

とにかく足を引っ張ったのは「ストーリー」でしたねぇ…。

別に「宇宙からギャラクターが攻めてきた! 倒せー!」でいいと思うんですけど、
そんな幼稚なのヤダーと思ったのか敵組織もウイルスXに適合した人間ってことに
しちゃって、しかもその設定が上手く機能してないもんだからツッコミどころ満載。

だいたい、冒頭で地球の半分以上がギャラクターに支配されたって言ってたのに
オープニング終わって10数年後の新宿が映ると、呑気に剛力さんがショッピング
してるというシーンで「???」ですよ。一応、街の中に兵隊が警備している様子は
映されてますが、10年経ってこの程度とはギャラクターさんの征服ショボイなぁと
いう印象。

映画では固有名詞は出さないものの、要するにギャラクターはナチスを意識して
いると思うんですね。初期のウイルスXの感染者はヒトラー(ないしナチスの人間)で
あることをほのめかしてましたし。ギャラクターはナチスがアーリア人種による征服を
目指したように、ウイルスXの適合者をエリート民族として、他の人種を征服(もしくは
絶滅)を目指しているのでしょう。

しかし、そうなると問題なのはギャラクターをひとつの国家民族として描けている場面が
ひとつも無いという点。意思を持った人間として出てくるのはベルク・カッツエ一人で
あとは人間なのかロボットなのかもはっきりとしない兵士ばかり。
これではギャラクターが何のために戦争を仕掛けているのか分からず、結局
「宇宙人が攻めてきたー!」で全然問題なかったような気がするんですよね…。

そして問題なのはベルク・カッツェ。物語中盤で、その正体は健やジョーの
仲間だったナオミだったということが分かります。中盤以降はこの三人の話が
ストーリー上の肝となるわけなんですが、とにかくこのナオミがギャラクター側に
寝返った理由がわからない。

先程のナチスがモチーフの話にも繋がってきますが、本作を観て、もしやこれが
やりたかったのかなぁ…と思ったのは「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」

たとえばナオミをはじめとした適合者たちが子供の頃からX-MENのようにミュータントとして
忌み嫌われたり、駆逐されたりするような描写があって、旧人類に愛想をつかしていた
ところに、ギャラクターにスカウトされたというような描写があれば分かりますよ。
でも、子供の頃の研究所のシーンはありましたが、ひどい人体実験を受けてる様子も
なかったし、ギャラクターに襲われる直前には婚約OKまでして、普通に幸せそうでした
からねぇ…。それでベルク・カッツエとなって再び現れて、健やジョーが理由を聞いても
「自由だから」の一点張り…。そりゃ健もジョーもそんなんじゃスカウトに乗りませんよ。
せめて「こっちに寝返ったら5億円やるよ」くらい言ってくれなきゃ…。

ちなみに小説版は、そこら辺のフォローは結構ちゃんとなされていて、
ナオミは健やジョーより優れたリーダー格で、元から自分より劣る人類に
愛想を尽かしていたという設定だったり、冒頭の新宿のシーンも、ギャラクター
の侵攻がヨーロッパ中心で、最近日本にも乗り込んできたばかりで、まだ新宿は
安全地区だったという説明がされていました。

あと、映画中盤で、亡命してきたイリヤを保護するために健とジュンがパーティーに潜入する
ためにセキュリティチェックをかいくぐるシーンも小説ではなかったです。
だって反ギャラクターの人間側が主催してるパーティーなのに健とジョーが忍び込まなきゃ
ならないなんて変ですもんね(イリヤが忍びこんでくるならまだしも)。
まぁ映画ではあれがないと中盤に本当に見せ場がなくなるのと、「ミッション:インポッシブル/
ゴースト・プロトコル」 みたいなチームスパイものがやりたかったのかなぁと思いますが、
それにしても緊張感のない潜入シークエンスでしたね…。

あと、気になったところといえば、ゴッドフェニックスに乗り込む前の基地での喧嘩ですかねぇ。
本来であれば最終決戦に赴くために秘密兵器で発進するという燃える場面のはずが、
まぁ誰一人として他人の話を聞かない一方通行っぷり。
あげく南部博士までもが、若者たちの喧嘩を叱りつけるわけでもなく、話が途切れたところで
「よし、では出発するんだ」って…オイオイって感じでした。
結果、その後のゴッドフェニックスのコックピットはみんな絵に描いたようなふてくされ顔で
ここはサークルの部室か! ってツッコミ入れたくなりましたよ。

それにしてもかながね不思議なんですが、テレビ業界の人ってのは毎週の視聴率にさらされながら、
視聴者の興味を引くことが(良くも悪くも)第一な番組作りをしていて、本来であれば
プログラムピクチャー的な娯楽作を作るのには長けている人種だと思うんですが、
何故に映画作りになると余計なテーマや、突っ込みどころ満載の杜撰な脚本
ぶっこんできちゃうんでしょうかね…。

ということで、ストーリー的には全く好きになれませんでしたが、CG特撮には
邦画の明るい未来を感じれましたので、満足度は以下のとおり(★5つが満点)
★★

【観賞データ】
観賞日:2013年8月25日
劇場:ユナイテッドシネマとしまえん/豊島園
観賞料金/1200円(レイト料金)
パンフ/未購入
パンフは買いませんでしたが、角川文庫の小説版は、大筋は映画の
ストーリーと同じながら色々と腑に落ちる出来になっていてお薦め。
ていうか、この小説を元に最終的な脚本の手直しをして欲しかった…。

# by koshibaken | 2013-08-30 00:27 | 映画

ワールド・ウォーZ(ネタバレアリ)

『即断即決』の男ブラピに惚れる
夢に見た世界規模のゾンビ映画!


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原題:WORLD WAR Z(2013/アメリカ)
日本公開:2013年8月10日 上映時間:116分

監督:マーク・フォースター
製作:ブラッド・ピット

キャスト:ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス他

ストーリー:元国連捜査官のジェリー(ブラッド・ピット)と家族の乗った車が、渋滞にはまっていた。すると、前方で爆発音が聞こえ、トレーラーが無数の車をはじき飛ばしてクラッシュし、パニック状態の群衆が通りになだれ込んでくる。そのただならぬ状態から家族を守ろうと、妻子を連れて逃げるジェリー。やがて、彼は人間を凶暴化させる未知のウイルスが猛スピードかつ世界的規模で感染拡大しているのを知る。そんな中、元国連職員の技能と知識を買われたジェリーは、各国を回ってウイルスの感染原因を突き止めるよう依頼される。(シネマトゥデイより)


かってジョージ・A・ロメロが大傑作『ゾンビ』の続編として制作した『死霊のえじき』が、
世界的なゾンビ危機を描くという当初の構想が資金難によりスケールダウンして
地下軍事基地の話になったというのは有名な話。
以後、ゾンビ映画は低予算で作れるという利点もあって、局地的な被害を描く作品が
大量に作られてきました。そういったアイデア勝負の作品にももちろん楽しませて
もらいましたが、ゾンビ好きとしては『ゾンビ』よりスケールアップした世界の終末を
描くゾンビ映画を待ち焦がれていました。しかしまさかその夢を叶えてくれたのが
ジーンズのCMで「ご~まりさ~ん」と呑気に歌っていたあのイケメン俳優だったとは…!

というわけでこの映画、冒頭から今までのゾンビ映画のお約束を守りつつも
それらを後方に置き去りにするようなスケールとスピードで突き進んでいきます。
世界各地でのパンデミック被害を伝えるニュース映像のコラージュという
いかにもゾンビ映画っぽいオープニングが終わった後、ブラピの家族のシーンに
なります。ここで「あ~まずは普段の日常をゆったり描いていくんだな。いつもの感じね」と
緊張を緩めるんですが、その後もういきなり市街地でのゾンビパニックシーンが始まって
意表を突かれました(この時の頭突きゾンビはなかなか新鮮)。
その後、アパートに逃げ込むブラピ一行。ここで出会った他の被害者家族と交流を
深めながら立てこもり戦を描くのかなと思いきや、これまたあっという間に屋上から
ヘリで脱出! 普通のゾンビ映画ならここまでで1本作れそうな密度でした。

そして、この冒頭で痺れたのが主人公ブラピの「即断即決」のデキる男っぷりですよ!

最初にゾンビに出くわしたパニックの中で、噛まれた人間が何秒でゾンビ化するのか
冷静に見極め、スーパーマーケットでは暴徒を迷いなく射殺。ゾンビに噛まれない様に
雑誌で腕を保護。そしてなんといっても最高だったのは屋上のシーン。自分がゾンビの
血を浴びて感染したのではないかと疑いを持った時、家族に被害を与えないようにすぐに
飛び降りれるようにしながら、冒頭で見極めたゾンビ化までの秒数を数えるという冷静さ!
正直、今まで観てきたゾンビ映画の中で最も頼れる男だと思いました。すげえぞブラピ(あえて
キャラ名では呼びません)。とはいえこの後、ちょいちょい凄いドジもやらかすんですけどね…。

でまぁこの後はジェームス・ボンドばりにブラピの世界ゾンビ紀行が始まるわけですが(家族とすぐ
別れてくれたのも良かった! スピルバーグ映画みたいにずっと子供連れだとウザいもんね…)、
韓国の軍事基地では『死霊のえじき』っぽい軍人VSゾンビあり、イスラエルでは
『ランド・オブ・ザ・デッド』的な要塞攻防戦があり、あげくの果てに『デッド・フライト』まで
ぶち込んでくるというゾンビ映画祭り!

そしてラストは原点に帰ったかのような閉鎖空間でのノロノロゾンビとの
緊張感溢れるサスペンスでした。

本来のラストはロシアでの大ゾンビ戦だったそうで、撮影もされたのですが、
過激すぎるとのことで今の展開に撮り直したそうです。今度発売される海外版
のブルーレイは「NEW UNRATED CUT」なので、元々のバージョンが収録
されているのではないかと期待しています(国内盤もよろしく!)

ただ、元のバージョンを見比べた上で、ゾンビ映画好きなら劇場公開版の
ラストの方が好きという人も多く出てくるんじゃないかなぁと予測しています。それくらい
ラストの展開は良かったと思います。ゾンビに対して、一応の決着方法も提示して
くれるし(ゾンビ映画のラストは、その場での危機は脱したものの、結局その先には
世界の終末が待っているというパターンが多い)。またここでも「即断即決」で注射を
打つシーンで、冒頭からのブレない主人公ぶりが徹底されていて気持ちいいです。

ということで、ラストのペプシをグイっとやるブラピも粋で痛快だったこのゾンビ映画の
満足度は以下の通り(★5つが満点)
★★★★
ちょっとでいいからどこかでゴアシーンが欲しかったかな…


【観賞データ】
観賞日:2013年8月11日
劇場:ユナイテッドシネマとしまえん/豊島園
観賞料金/0円(ポイント使用)
パンフ/700円
パンフでは解説でもインタビューでもゾンビゾンビ言いまくってます
# by koshibaken | 2013-08-15 15:06 | 映画

パシフィック・リム(ネタバレアリ)

こんなの見たことあるけど見たことない!
愛と夢がぎっしり詰まった歴史的娯楽超大作!!


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原題PACIFIC RIM(2013/アメリカ)
日本公開:2013年8月9日 上映時間:132分

監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム

キャスト:チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊地凛子、ロン・パールマン、芦田愛菜他

ストーリー:2013年、突然未知の巨大生命体が太平洋の深海から現われる。それは世界各国の都市を次々と破壊して回り、瞬く間に人類は破滅寸前へと追い込まれてしまう。人類は一致団結して科学や軍事のテクノロジーを結集し、生命体に対抗可能な人型巨大兵器イェーガーの開発に成功する。パイロットとして選ばれた精鋭たちはイェーガーに乗り込んで生命体に立ち向かっていくが、その底知れぬパワーに苦戦を強いられていく。(シネマトゥデイより)


※今回の感想は本編に出てくる“ドリフト”にちなんで右脳と左脳の2人による会話形式で進めていきます。あと、ダラダラ長いです。

「右脳さんは『パシフィック・リム』どうでしたか? 観終わった後フラフラしてましたけど」
「もう興奮しすぎちゃってね。いやもう何あれ…今観たものが信じられない!」
「映像とか凄かったですもんね」
「ただね、映像が凄いってだけならこんなに興奮しないの」
「あー貴方、トランスフォーマーとか嫌いですもんね」
「いかにもハリウッド超大作的なやつね。今回、パシリムで興奮したと同時に不思議で仕方ないのが、
なんでこんなに俺たちのツボを押さえた場面演出とストーリー展開がなされているのか? ってことなの」

「ストーリーはベタで薄いってのがもっぱらの評判だと思うけど?」
「いやいや、パシリムのストーリーは娯楽作品として最上級品でしょ。余計なことやって『あれ? 今これ
何のために戦ってるんだっけ?』『このキャラの感情の流れ変じゃね』とか、ストーリーが足引っ張って
素直に楽しめないアクション娯楽作品なんてザラにあるじゃない。そういうのほぼなかったでしょ?」
「まぁすんなり観れたね」
「その上でね、後半の畳み掛けなんてもう見事で盛り上がりまくりなわけだよ!」
「香港決戦に比べると、海底のラストバトルは地味なんて声もあるけど?」
「確かにアクション的な見せ場は香港がピークだけどさ、ドラマ的には海底バトルが最高潮でしょ。
ここの展開はベタはベタなんだけど、ホントに俺たちの身に染み付いたツボを的確に押してくれたんだよね」
「というと?」
「俺が一番似てるなと思ったのは1作目の劇場版パトレイバーの方舟戦でね」
「監督も『映画秘宝』のインタビューで一番影響うけたロボアニメはエヴァじゃなくて押井守のパトレイバーだって言ってたね」
「さぁこれから最後の作戦だって2体のロボが勇壮に海底に向かって出撃するんだけど、それと並行して科学者コンビが
『これは罠だ! このままでは作戦が失敗する!』ってやるでしょ?」
「あったねー」
「あれって、パト1で野明たちが方舟壊してる裏で、シゲさんと南雲さんが方舟のコンピューターもHOSに感染してるんじゃ! 
っていってドラマのサスペンスを盛り上がるのと同じパターンでしょ?」
「そ…そうかな?」
「それに海溝の入り口に怪獣が待ち構えてるってのは方舟のガードロボットっぽいし、カテゴリー5の登場のタイミング
なんて零式だし、自爆スイッチがオートで起動しなくて手動でやるなんてもうまんまじゃん!」
「まぁ様式美というか…そこら辺のこともあってベタって言われてるんじゃない?」
「そう! でもちゃんとベタやってくれてるから気持ちいいんだよ。あ、ちなみにラストで海上にいる主人公たちを
ヘリが迎えにくるって絵面もパト1っぽいよね! とにかくベタはベタでもハリウッド的なベタじゃなくて日本的な
ベタをやってくれてるのが不思議なのよ。ペントコスト司令官も凄い日本的じゃない?」
「『映画秘宝』で黒い神隼人って言われてた人ねw」
黒い太田コーチ(トップをねらえ!)でもあったし、芦田愛菜ちゃんを助けた時の後光がさしてる姿は光の黒いロリおじさんって
呼びたい勇姿だったよね。まぁとにかく、病魔に犯されながらも戦って死ぬってのは、あんまりハリウッドの娯楽作品に出てくるキャラ
ではいない気がするんだよ」
「ヤマトの沖田艦長しかり、日本ではそれこそベタ中のベタではあるけどね」
「だからね。なんで外人の、ハリウッド映画監督がこんなにも俺たちの気持ちいい盛り上がりのツボを押さえてくれてるのかが
不思議であり驚きであり嬉しくなっちゃったところなんだよね。まぁどこまでがデル・トロでどこまでが脚本のトラヴィス・ビーチャムの
仕業なのかはわからないんだけど…」

「場面演出の方はどう?」
「これもお約束だけど最初にわざわざ漁船が襲われるのが『ゴジラ』らしくていいよね。中盤で出てくる巨大な寄生虫もフナムシみたい」
「ウチラの世代的には初代ゴジラというより84ゴジラ思い出すね。香港戦でジプシーデンジャーがガラスばりのビルに映るシーンは
84ゴジラの有楽町マリオンみたいだった」
「いっそ武田鉄矢も出れば良かったのにな」

「右脳さんは最初のジプシー・デンジャー出撃シーンでもノリノリだったね」
「パシリムは音楽もいいんだよな。最近のハリウッド映画はハンス・ジマー病とでもいうのか、ドラム主体の曲が多いけど、
今回は珍しくメロディーが耳に残るテーマ曲があるのが大きい。最初の出撃シーンに関して言えば、前奏のギターのリフが
ズッジャッジャッジャ…とひとしきり鳴った後、一旦暗い画面になってコックピットのドアの赤いランプが光ってからメロディーが
ジャララ~ラララーンと鳴りだすじゃん! あのタイミングがもうたまらく気持ちいい!」
「文字じゃ伝わりにくいよ!」

「あとさ、怪獣がピタッと動きを止めて振り返ると後ろにジブシー・デンジャーが! ってのがあったじゃない」
「ストライカー・エウレカを救う時と、ニュートン博士を怪獣が追ってた時だね」
「あれさー、『わかります? この様式美。え、わからない? じゃあもう一回やりますからね』って感じで2回繰り返してくれた気がするよ」
「天丼かい」
「しかも2回目の時はタンカー付きだったでしょ。あの地面から見上げるパースがバリバリ効いた作画はなに!? CGなのに!」
「CGなのに!」
「お、いまシンクロ率上がったね。シンクロといえばエヴァっぽいって意見には左脳はどう思う?」
「マコが暴走する場面に関してはエヴァっぽいかなとは思うんだけど、監督は見たことないって言ってるんだよね…となるとあそこは
脚本のビーチャムのアイデアなのかな?」
「ビーチャムは1980年生まれでちょい若いから、エヴァ観てる可能性はあるな」
「もともと大まかなストーリーはビーチャムが作ってて、途中からデル・トロが参加したんだよね? デル・トロが追加した要素って何だろう?」
「俺は科学者コンビのパートはデル・トロが足したところじゃないかと思う。あとその流れでロン・パールマン演じるハンニバル・チャウと
ニュートン博士のパートも」  
「ロン・パールマンはデル・トロ作品の常連だしね。科学者コンビはどうして?」
「研究に明け暮れてどう見ても変わり者扱いされている2人だけど、そんな世間に疎まれてるモノたちを扱うっていうのはデル・トロの
一貫したテーマだからね。あと2人がドリフトするシーンで幼少期の彼らがフラッシュバックするんだけど、その時に子供の頃の彼らは
科学特捜隊っぽいヘルメットと制服を着てて、手には飛行機の模型を持ってるんだけど、あれってウルトラマンのビートルじゃないかと
思うんだよね。それってまさにデル・トロの幼少期の姿じゃない?」

「そういやたまたま外人客が多い回で見た時は科学者パートでよく笑いが起きてたね」
「俺たちは怪獣に翼が生えたり、チェーンソードのところで歓声上げてたけど、外人さんはドラマパートでウケてたな。科学者パートもそうだし、
マコがベケットを意識してドアの覗き穴から見てるシーンも笑いが起きてたし、ペントコストがチャック・ハンセンに『お前はクズだが、ハークの
息子だ。だからドリフト出来る』って言ってチャックが『わかりました!』って返した時にも笑いが起きてた」
「あそこは『それで納得するのかよ!』と思ったけど、やっぱり笑っていいところだったんだなw 逆に泣き所はあった?」
「科学者コンビがドリフトするシーンは良かったね。膝をかかえて一人ぼっちの子供時代の姿がフラッシュバックしたりしてね。ゴットリーブ
博士の握手をやり慣れてない感じもたまらなかった。あと、最後に作戦が成功して基地のみんなが喜んでるなか、息子を亡くしたハークが
笑顔からふっと切ない顔になるのもグッときた。やっぱり押さえるところキッチリ押さえてるいいストーリーだと思うよ」
「まぁブチャ犬は呑気にはしゃいでたけどね」
「そういやブチャ犬を出したのって押井守リスペクトだったのかな? ヘルボーイの時は猫だったし…」

「イエーガーはどうだった?」
「思ったより巨大で思ったより機敏に動いてたのには驚いたね。チェーンソードからの大気圏突入にはたまげたよ」
「次回作があったら飛行出来るイエーガーも出てくるかもね」
「香港戦の後にチャウが怪獣の翼の回収を指示してたでしょ。ドイツ人が喜ぶとか言って。きっとあの翼を元にしてジェットスクランダー
作るに違いないよ!」
「ジプシー・デンジャーの最後の自爆シーンはどうだった?」
「その頃にはもうデンジャーに意思があるように見えたね。異星人に完全にガン飛ばしてるみたいだったもん。
ポッドで脱出したベケットに振り返って『ありがとう…ジプシー・デンジャー』って言って欲しかった気もするけど、さすがに
そこまでウエットにはしてなかったね」

「最後になるけど、字幕と吹替え、どちらが良かった?」
「その前にまずIMAX3Dが最高だったよ。後処理3Dらしいけど、そんなのどうでもいいってくらいに良かった。最初に怪獣が橋を壊す
シーンで車が押し出されてくるのを見ただけで『IMAXで正解!』って思ったね」
「可能な限りIMAXで観て欲しいよね」
「で、字幕と吹替えなんだけど…これははっきり字幕版。というのも、劇中で登場人物が日本語や中国語を喋るという演出があるんだけど、
ずっと日本語喋ってる吹き替え版だとこの演出が意味なくなっちゃうのよ」
「マコの初登場のシーンとか最たるものだね」
「初対面のベケットの前で『イメージと違~う』ってペントコストに言うんだけど、吹き替え版だと目の前でそんな事言うのバカみたいじゃない?
でも字幕版だとあそこはベケットが日本語分からないと思って日本語で言ってるんだよね。ところがベケットが日本語理解していて『イメージと
違うって?』と日本語で返してきたからバツの悪いことになったという流れ。他にもニュートン博士がシェルターに逃げた時に中国人の女性に
『怪獣は僕を追ってる』『みんなを狙ってるのよ』『いや僕なんだ!』『みんな! 怪獣はこの白人を狙ってるのよ!』となる流れが吹替えだと
ちょっとわかりづらいことになってる」
「まぁでも吹替えのメンバー自体は悪くなかったんじゃない?」
「うん、特にチャックの浪川大輔は『よっ浪川!』て叫びたいくらい浪川なキャラだったね。要するにどっちも見ろってことだよ!」

「では最後にいつもの満足度だけど、★5いくつ?」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「★5つで満点じゃないのかよ!」

【観賞データ】
観賞日:2013年8月9日
劇場:ユナイテッド・シネマとしまえん/豊島園
観賞料金/2200円(IMAX3D字幕版)
パンフ/800円
3D吹替え版、2D字幕版、2D吹替え版も鑑賞。
パンフレットは買って損なしです!

# by koshibaken | 2013-08-13 14:27 | 映画

ベルリンファイル(ネタバレアリ)

ジェイソン・ボーンは一人ではなかった!
韓国映画全部盛りエンタメ漢祭り開催!!


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原題:BERLIN(2013/韓国)
日本公開:2013年7月13日 上映時間:120分

監督・脚本:リュ・スンワン 武術監督:チョン・ドゥホン

キャスト:ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョン、リュ・スンボム他

ストーリー:韓国国家情報院のすご腕エージェントであるジンス(ハン・ソッキュ)は、ベルリン市内で行われるアラブ系組織と北朝鮮諜報(ちょうほう)員ジョンソン(ハ・ジョンウ)の武器取引の情報をキャッチ。ジョンソンはホテルから脱出して難を逃れるものの、韓国側に情報が漏れていることに不安を抱く。さらに、北朝鮮大使館の通訳官を務める妻ジョンヒ(チョン・ジヒョン)の二重スパイ疑惑を知らされてがく然とする。韓国国家情報院の追撃を懸命にかわす中、ジョンソンは自分と妻、さらには宿敵ジンスまでもが巨大な陰謀に飲み込まれていることに気付く。(シネマトゥデイより)


ひどく大雑把に行ってしまえば韓国版ジェイソンボーン
ただ、この“韓国版”というのがミソで、単なるボーン・シリーズのものまね映画ではなく、そこに
南北問題、純愛悲恋、過剰なバイオレンスなど、韓国映画お馴染みのエンタメ要素がガッツリ
盛り込まれていて、きっかり120分、頭からケツまでこれでもかと楽しませてくれる作品でした。

もう冒頭からケレン味たっぷりで、主人公ジョンソン(ハ・ジョンウ)の家の台所の隠し扉、
冷凍した魚の中に隠してある痛み止めの注射、韓国側のエージェントであるジンス(ハン・
ソッキュ)が、北朝鮮とアラブ組織の武器取引の会合を監視カメラで見ながら、記録にない
ジョンソンの映像を見て「こいつは“ゴースト”だ」とニヤリとするところまで、スパイものとして
の魅力に満ちていてウキウキしっぱなし(何が起きてるのかは良くわかってませんけどw)。
 しかし、いきなりの銃撃戦からジョンソンの逃走劇が始まると韓国バイオレンスの本領
発揮! 主役がハ・ジョンウなこともあって「哀しき獣」を思い出しました。ベルリンの街の
屋上をフリーランニングで逃走するジョンソン。そこに横からいきなりタックルを仕掛ける
ジンス、屋上に突き出てる排気パイプの上に背中を打つジョンソン(痛い!)、
ジンスに銃をつきつけられて「南ではこめかみを狙う? 弾がそれるぞ」なんて、強がりを
言ってるのかとおもいきや、本当に銃をかわして、マガジンを抜き、脱出。そこでベルリン
タワーの空撮にタイトルがドーン! もう痺れまくりのオープニング!!!!

ジョンソンに逃げられたジンスは上司に黙って独自に捜査を開始。ハン・ソッキュのちょっと
オーバー目な演技もあって、ジンスはとても情報局のエージェントとは思えない、感情的で、
人情に厚い熱血漢なキャラ。映画ラストの展開もあって銭形警部みたいでした。

ここで面白いなと思ったのは、ジョンソンとジンスのそれぞれの食事シーンが描かれるんですが、
どちらもお国の料理を食べてるんですよね。「ベルリンが舞台で、ジェイソン・ボーンみたいな映画
だけど、西洋かぶれしたわけじゃねーぞ!」というアイデンティティの表明なんじゃないかとは…考えすぎ?

そして、北から送りこまれる保安監察員トン・ミョンス(リュ・スンボム)が素晴らしい!
登場のシーンでは、列車の中で白人のスリをトイレで毒殺するという見せ場があり
ますが、ここ別にストーリーには関係ないんですよね。でも、これでミョンスが只者で
ないことが分かる。苦しむスリを尻目に鼻をかむとこなんて最高でした。あと、ここの
毒入りボールペンはクライマックスの振りにもなってましたね。

とにかく、北と南のスパイ対決に加えて、それぞれの陣営の内輪の足の引っ張り合い、
さらにCIAとアラブとイスラエルが絡んできて、わけがわからない難しい映画になりそうな
ところを、「とりあえずこいつが悪い!」と、ミョンスが悪役を一手に引き受けてくれたのが見事でした。
後半、ジョンソンの妻のジョンヒを「奥さんは素直でいい」と頬をパンパンと叩くシーンも
微妙に当たりが強くてイヤ~な感じ。
また、ミョンスがもともとジョンソンの弟分で、「策が無い時は近くに潜伏してる」とか
「人の注意力が一番下がる深夜4時にくるはず」とか、手の内を知り尽くしてるのも
実にケレンの効いた燃えるキャラ設定でした。

本作のもう一つの軸はジョンソンと、その妻で二重スパイの嫌疑をかけられるジョンヒの
ラブストーリー。とはいえこれが全然甘くない。冒頭は冷えきっている夫婦関係だった
のが、敵に追われるうちに夫婦の絆が復活していく…と書くと「ダイ・ハード」とか「96時間」
みたいな感じ? と思うんですが、ジョンヒは子供身篭ったまま最後死んでしまうんですよね…。
死亡フラグが立ってなかったんでこれにはびっくりしました。あと、ハリウッド映画なら中盤で
キスシーンやベッドシーンのひとつでもありそうなもんですが、本作でラブシーンといえる
のは傷だらけの夫に包帯を巻いてやるところのみというのが美しくも切なかった!

映画がちょうど半分過ぎたところに配置されたアクションの見せ場は、ジョンソンの家に
やってきた刺客とのバトル。缶詰で殴ったり、電話のコードでムチのように叩くという
地味に痛い格闘シーンの後は、いきなりド派手な落下アクション。落下しながら
鉄骨にガンガン跳ね飛ばされたり、コードに絡まって空中でグルングルン回るシーンは
「ちょwwwやりすぎwww」と笑ってしまいました。

まぁこれだけ大騒ぎしてるのに一般市民が騒がな過ぎだろベルリン! とも思いましたが、
ジョンソンの家はもともと廃墟っぽいところだし、潜伏したホテルはフロントが居眠り
してるような他に客もいなさそうなところだし、その後のカーチェイスも時間帯が早朝
だから…と、一応気はつかってあるようには感じましたw

その後、すったもんだの挙句、妻を奪われてしまったジョンソンはジンスと手を組むことに。
いや~映画も後半に差し掛かってるここでバディものの要素までぶっこんできましたよ。
そこで手を組む条件が「韓国側に転向する」ていうのがね…韓国映画って南北問題を
エンタメにしちゃうのがタフだよなぁと常々思います。

妻が捉えられた敵のアジトは荒野の中の山小屋。「スカイフォール」や「ラストスタンド」を
彷彿とさせます。乗り込む前のジョンソンのセリフ「あいつは俺の妻だ。だから助けることに
理由があるか」
も単純明快この上なくて素晴らしい。まぁ、これもあってジョンヒの
死亡フラグは回避されたと思ったんですがね…(ジョンヒだけはちょっとストーリーに都合よく
使われた感じはあります)。

そして、クライマックスはジョンソンVSミョンス! 最近はハリウッド映画にしてもアジア映画に
しても、ラスボス戦はさらっと終わる作品が多い気がしますが、本作はたっぷりボリュームで
大満足。草の中を走りながらの打ち合いから、弾の切れた拳銃を鈍器にしての殴りあい、
そして投げ技ではわざわざ地面にある岩の上に落とす(痛い!)。そしてオモプラッタや、肩固め、
マウントパンチを足で絡めとるといった攻防で魅せ、最後は毒入りボールペンで綺麗に締め。
いや~久々にラスボスバトルで燃えました。

ラストは妻を亡くし、祖国にも裏切られたジョンソンをジンスが逃がすシーン。ここでのジンスの
ベタベタなツンデレっぷりはたまりません。
そして逃走したジョンソンがミョンスの父に電話して復讐を宣言するくだりは、音楽の感じも
あいまって「さすがにあまりにボーン過ぎやしないか?」とも思いましたが、ここまで照れずに
やり切るというパワーに、実際観てて「うひょひょーかっけえ!」とアガってしまったんだから
文句なしですわ…。

とうわけで、ヘタしたら今年ベストワンになろうかというほど惚れ込んでしまった
本作の満足度は以下の通りです(★5つが満点)
★★★★★

【観賞データ】
観賞日:2013年7月25日
劇場:新宿ピカデリー/新宿
観賞料金/1300円
パンフ/700円
細長い判型でかっこいい。中身はインタビューや解説など充実。アクションと銃器関係の
解説がもっと充実してれば尚良かったかなぁ
# by koshibaken | 2013-07-28 13:12 | 映画

ワイルド・スピード EURO MISSION(ネタバレアリ)

さんざんバカやってきた俺達だけど、
もうそろそろ落ち着くべ…なんて思ってたら
更なるバカが戦車に乗ってやってきた!


ワイルド・スピード EURO MISSION(ネタバレアリ)_d0198868_1041999.jpg
原題:FAST & FURIOUS 6(2013/アメリカ)
日本公開:2013年7月6日 上映時間:130分

監督:ジャスティン・リン 製作:ヴィン・ディーゼル / ニール・H・モリッツ 脚本:クリス・モーガン

キャスト:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、ガル・ギャドット、サン・カン、ルーク・エヴァンス他

ストーリー:リオデジャネイロの犯罪王から100億円を、まんまと奪い取ったドミニク(ヴィン・ディーゼル)。その後、逃亡し続けていたドミニクだったが、世界中で犯罪行為に手を染める巨大犯罪組織を追うFBI特別捜査官ホブス(ドウェイン・ジョンソン)に協力を依頼される。ホブスの話によると、その犯罪組織に関わっているのは、ドミニクの死んだはずの元恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)だった。(シネマトゥデイより)


いつの間にやら大作ヒットシリーズとなってしまったワイルド・スピードの6作目ですが、
今回は明らかにシリーズを畳みにかかっている感じがしました(実際、3から監督して
きたジャスティン・リンは今回がラストなようですし)。

これまでは違法な公道レース、家電製品や石油の窃盗、ギャングの金庫強奪など
ワルさをするドミニクたちに対してブレーキをかける役割っていうのが必ず存在して
きました。それは潜入捜査官だったブライアン(ポール・ウォーカー)だったり、警察
だったり、FBIのホブスだったりしたわけですが、今回はむしろドミニクたちが
ブレーキをかける側に。

ストーリー上でもブライアンに子供が出来たり、FBIの捜査に協力する代わりに
恩赦を要求したり、スリル狂みたいな感じだったジゼルもハンに「東京で一緒に
暮らすのもいいわね~」なんて言ってみたりと、もういい加減落ち着きたがってる
感じがヒシヒシ。後半では車をつかって文字通り戦車や輸送機にブレーキをかける
展開がメインになっていました(ワイルド・スピードなのにね…)。

ドミニクたちがヤンチャしなくなった分、バカっぷりが光っていたのがFBIのホブス。
ドミニクたちと協力した捜査やら、見返りの恩赦やら、一度捕まえた敵ボスのショウ
(ルーク・エヴァンス)を基地から逃すくだりやら、現場での独断専行がもう酷過ぎw
あげく、ウォーリアーズばりのダブル・インパクトをドミニクとのタッグで決めるという
ノリノリっぷりで…本当バカでしたね(褒め言葉)。

つねに両腕を30度開いた立ち姿も実に脳筋っぽくてステキ!
ワイルド・スピード EURO MISSION(ネタバレアリ)_d0198868_1265084.jpg









そして更にバカ成分を足してくれたのが今回の敵ボスのショウ。
見た目はスマートなインテリって感じなんですが(髪の毛もあるし)、
「あいつは滅多に自分から姿を現さない」って言われているわりに
自ら最前線に出ずっぱり。フリップカーと呼ばれる面白カーや
戦車で車ぶっ壊してニッコニコというなかなか香ばしいお方でした。

序盤はドミニクたちが歩きで地味に捜査するシーンが続くのでちょっと単調。
ガンショップでレティが弾を買ったと調べるシーンとかまるで意味なかったと
思うんですけどね…(結局「買った」という事実しか判明しなかったし)。

ホブスが地元警察を全力握手で脅したり、カーディーラーを脱がしたりする
シーンは愉快ではあるけど、あそこまで尺を使わなくても…とも思いました。

一方、女子総合格闘家ジーラ・カラーノとミシェル・ロドリゲスの夢のバトルは
見応えあり。飛びつき腕十字やら二人して地下鉄の階段の手すり落下やらは
思わず声が漏れました(車関係ないけどね)。
そして「ザ・レイド」でマッドドッグさん相手に大往生したジョー・タスリムにも
見せ場あり。二人相手に柔道選手らしく見事な一本背負いやドロップキックを
魅せてくれました(やっぱり車関係なし)。

そんなちょっと地味な展開を吹き飛ばしてくれたのが
先ほども述べたショウのフリップカーと戦車!

特に戦車は、その登場の仕方からして度肝抜かれました。

これは、後で後悔しないように映画館の大スクリーンで観ておくことをオススメします。

ただ、クライマックスの輸送機のシーンは画面が暗くて何が起こってるのか
よく分からなかったのがちょっと残念でしたね(ジョー・タスリムがいつ
退場したのかも分からず…)。

ラストは、シリーズ第一作目のドミニクの家に戻ってみんなで打ち上げ
綺麗に終わったなぁ…と思いきや…
シリーズ三作目「TOKYO DRIFT」でのハン死亡シーン絡みでジェイソン・ステイサム登場!

まぁ6にカメオ出演するとは聞いていたし、本編内でショウの兄貴の話が何度か出てきて
いたので、「ははん…これはショウの兄貴役で復讐しに来るな」とは予想はしていたのですが
3のあのシーンに絡めてくるとは予想外で痺れました!

ジャスティン・リン監督としては「TOKYO DRIFT」は興行的には失敗したものの、本シリーズで
はじめて監督した作品でしたから、これで「TOKYO DRIFT」にもちゃんと意味をつけて終われた
感じでしょうか。

次作は「ソウ」や「狼の死刑宣告」のジェームズ・ワン監督なので、ハードな復讐物になりそうですが、
そういうノリがこのシリーズに求められてるとは思えませんし、どうなることやら…
とりあえず、どのハゲを応援していいのか今から悩んで毛が抜けそうです!

とうわけで、戦車やらダブルインパクトやら3ハゲに大いに盛り上がって鑑賞できた
本作の満足度は以下の通りです(★5つが満点)
★★★★★

【観賞データ】
観賞日:2013年7月6日
劇場:ユナイテッドシネマとしまえん/豊島園
観賞料金/2000円(IMAX)
パンフ/700円
インタビュー、キャラ紹介、車紹介、全シリーズの流れとソツがない感じ
# by koshibaken | 2013-07-08 10:46 | 映画


アニメ、映画、ホビー、写真の話題などをつらつらと


by koshibaken

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