パラノーマン ブライス・ホローの謎

素晴らしい傑作だったんですが客の入りが大変悪いそうなので、今回はまだ観てない人にオススメというスタンスで、
なるべくネタバレ無しの感想を書きたいと思います。


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原題:PARANORMAN(2012/アメリカ)
日本公開:2013年3月29日  上映時間:92分

監督・脚本:クリス・バトラー 製作:アリアンヌ・サトナー / トラヴィス・ナイト
撮影監督:トリスタン・オリヴァー プロダクションデザイナー:ネルソン・ローリー
編集:クリストファー・マーリー 音楽:ジョン・ブライオン

キャスト(声の出演):コディ・スミット=マクフィー、タッカー・アルブリジー
アナ・ケンドリック、ケイシー・アフレック、クリストファー・ミンツ=プラッセ、
ジョン・グッドマン他

ストーリー:300年前に魔女狩りが行われていた町、ブライス・ホロー。ノーマンはどこにでもいるホラー映画好きの少年だが、死者と話せる特殊な能力を持っていた。ある日、ノーマンの前に死んだおじさんが現れる。そして、魔女の呪いによって町が滅ぼされる日がすぐそこまで近づいており、それを救うことができるのはノーマンだけだと言われ…(シネマトゥデイより)

『コララインとボタンの魔女 3D』の製作スタジオLAIKAの新作。
人形を少しずつ動かしたのを写真に撮り、それを連続して再生することによって動いてるように見える
という昔ながらのストップモーションアニメという技法で作られている本作。ピングーとか思い出して
いただけると分かりやすいですかね。
もの凄ーく手間ひまかかってる(YouTubeのメイキング動画とか見るとびっくりします)んですが、
あんまりにもクオリティが高く自然すぎて、観てるとその凄さが伝わらないんですよね。
もっというとCGっぽい。パンフレットでもその辺を突っ込んでいて「これならCGでやっても結果は
一緒だったんじゃない?」と製作者に質問しています。それに対しては「CGじゃなくて人形という
立体物を使っているから照明を当てれるのが大きい」とか答えているんですが、正直僕はそれを読ん
でもあまりピンときませんでしたw 多分、これは何度も観ていくうちに魅力がわかってくるんじゃ
ないかと思います。裏をかえせば「何度でも見返せる作品」ということになるでしょう。

エンドクレジットの最後に、人形が出来上がっていくメイキングの映像が流れるんですが
それを見て「そういやこれCGじゃないんだ!」と改めて驚き、もう一回頭から観たくなりましたね。

というわけで、まだ一回しか観ていない僕が本作で気に入ったのは「物語」の方でした。

主人公ノーマンはホラー(特にゾンビもの)が好きで霊が見える男の子。周囲から気味悪がられ
学校ではイジメの標的になっている。まぁ主人公のキャラ設定としてはありがちなんですが、
ノーマンが通学中に道で出会う幽霊たちとひとりひとり挨拶を交わしていくオープニングのシーンで
すでにウルウルきちゃいましてね…もう出だしから「こいつ、いいヤツ!」と主人公にノレてしまいました。

で、たとえばピクサーやディズニーの作品とかなら、この冒頭の幽霊たちや友達の二ールの飼い犬の
霊とかが後半ノーマンの助けになったりして、「相変わらず伏線を細かく回収して、うまいね~!
にくいね~!」となるんでしょうが、本作はそれは控えめ。そういうウエルメイドな作りよりも
伝えたいメッセージを優先した作品となっていました。

ちなみに僕は伏線がビシバシ回収されていく映画は観てて気持ちよくって大好きなんですけど、
そういった作品を観て得られるのは「感心」なんですよね(シュガーラッシュなんか正にそう)。
それに対して本作を観て得たのは「感動」でした。

じゃあこの映画が投げかけてるメッセージとは何かというと、もの凄く普遍的でシンプルなこと
なんですよね。ただそれだけに安易には扱えない代物です。本作はそれを分かりやすく、説教臭く
もせず、かつ娯楽作品としてダイナミズムを失わずに現している…僕は観終わってジョンレノンの
「イマジン」を思い出しました(もしくはブルーハーツの「人にやさしく」)。

ブライス・ホローの町に伝わる魔女の伝説。しかし魔女は実在し、その災厄を止めるのは
霊と話が出来る力を持つノーマンの役目。この「倒す力」ではなく「話す力」というのが重要。

いじめられっ子だったノーマンが、魔女とその手下であるゾンビたちから町を救ってヒーローと
なる展開になるのかと思いきや、本作ではここでダイナミックな価値観の転換が起きます。

クライマックスでのノーマンと魔女の対峙シーンはもう涙ドバドバもんでした。この時の金色に荒ぶる
魔女のデザインが素晴らしかった。怖くもあり、不気味でもあり、そしてなにより切なかった。

そして、その後のノーマンの横で木に横たわる〝彼女〟の表情と動き…思い出すだけで視界がにじんできます。

「トイストーリー」や「シュガーラッシュ」など、アメリカのアニメってわりと悪役には容赦ないよねーと
思っていたので、本作の切なくも優しい描き方には感動しました。

というわけで、本作は今年みた映画のなかでも暫定一位に推したいくらいに
好きな作品となったので満足度は★5つで満点のところ当然以下の通りです。
早々に上映が終わりそうなので、気になる方は是非お早めにご観賞あれ!
★★★★★

【観賞データ】
観賞日:2013年4月3日
劇場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ/六本木
観賞料金/2200円(3D・字幕版)
パンフ/600円
パンフレットはメイキングの情報が充実していて素晴らしい。LAIKAの社長に「ピクサーやディズニーから
買収を持ちかけられたらどうする?」なんてキワドイインタビューもあって読み応えあり。
個人的にはストーリー方面に関してもうちょっと突っ込んであればより良かった。


Youtubeに何本かあがっているメイキングのうち、本作のテーマについて
触れているこちらの動画は特に必見かと。はみだし者たちの心意気!

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by koshibaken | 2013-04-05 13:23 | 映画


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