進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (ネタバレアリ)

実写版「進撃の巨人」観てきました。
結論から言うと全てにおいて期待ハズレでした!

そう…期待していたんですよ僕…。
脚本に名を連ねている町山智浩さんの映画評論は以前から好きで、時には映画本編より町山さんの
解説の方が面白いということもままありましたし、監督の樋口真嗣さんに関しては、なんといっても平成
ガメラの衝撃をモロに受けた世代なので、その後の戦争映画や時代劇映画はともかく、久しぶりに
樋口監督が得意分野である怪獣特撮ジャンルの映画を撮るということで期待しちゃってたんです。
さらに僕は原作漫画やアニメは見てましたが熱狂的なファンということでもないので、原作と違うから
どうこうと言うつもりもありませんでした。
 というわけで、期待して観に行ったのが全てのミスでした。別にこの映画が年間ワースト級だとか
いうつもりはありません。ただただ僕が期待してたのが悪かったのです。

これから基本的には映画の流れに沿って感想を書いていきますが、文句8割、褒め2割です。
細かい部分に関するツッコミが多いですが(イチャモンと言っていいほど…)、ストーリーにしろ
映像にしろ、細かいディティールまでこだわって作ってある「マッドマックス」や「パシフィック・リム」
などを観てしまっているので、やっぱり気になってしまうんですよね…。

 まずは冒頭のエレン、ミカサ、アルミン登場シーン。原作からキャラの設定が変わっていると
いうのは知っていたので、ここで主人公のエレンがどういうキャラクターなのか知る場面なんですが、
不発弾を蹴ったり、定職にもつかず壁の外に行きたいという語る姿を見て、「なるほど。破天荒で、
ここではないどこかへ夢を馳せる若者なんだな。俺の空だね、尾崎だね!」と思ったのですが、
その直後、アルミンに「お前は家業を継ぐだけでいいのか? 夢はないのか?」と聞き、アルミンが
「いろいろと発明したい」と答えると、その夢を応援するどころか「法律違反で捕まっちまうぞ」とか
言いやがるんですよね!
や、もちろんこれは茶化して言っただけでしょうし、発明するのは違反という世界観を説明させる
という目論見もあったのでしょうが(でも、それならミカサに言わせても良かったよね?)、まず
最初にどういう主人公か知ろう、そして愛そうとしてるところで、いきなりスカされた感じでした。

 そして、壁の近くまで行ってからの超大型巨人との遭遇。超大型巨人に関しては、予告編や
ポスターのビジュアルで見ていたので、驚きはありませんでしたがここの迫力は流石だなと思いました。
問題だったのは、エレンたちの周りに落ちてくる岩や壁の破片がすんごく軽そうに見えたこと(コント番組
みたいでした!)。役者陣も巨人の方を見上げ慌てるばかりで、すぐ側に落ちてくる岩に関しては
リアクションが薄く、「当たったら死ぬぞ!」みたいなハラハラドキドキ感は感じることが出来ませんでした。

 実際の人間が演じる巨人に関しては、う~~ん僕はイマイチでした…。原作の場合は絵の下手さが
絶妙に上手く働いてデッサンが狂った不気味な存在に見えていたんですが、アニメ、実写とリアリティ
が増すにつれて不気味さが消えて、怖さがなくなるんですよね…。あと、原作やアニメだと焦点が合っ
てない感情のない目をしてたのが、実写は目をキラキラさせてる巨人さんが多かったので、本当に
ただの人間に見えてしまいました。せめてゾンビ映画みたいにカラコン入れるとか出来なかったのか…。

人が食われるシーンも、映画秘宝9月号のレビューや一般試写の感想で「グロいグロい」と言われて
いたので、期待してたんですが、それほどでも無いなぁという印象でした。PG12に抑えるためなん
でしょうが、人が食われてるところは全て引きの絵になるため、グロくもないし、飽きてくるんですよね。
巨人の口元でもがいてる人間のアップとか入れて変化を付けてくれれば、直接的なグロはなくても
もっと引きこまれたんじゃないかなと思ってます。

 まぁそうはいっても、ここまではテンポ良く進んでいてそれなりに興奮しながら観てたんですよ。
心底キツイなぁ~と思ったのは「あれから2年後」から始まる中盤のシーン。
「家族と別れてる姿を映しながら各キャラのバックボーンを紹介」「食事の配給に並んでる
ところでピエール瀧と再会」「食堂で芋を使っての壁破壊作戦の説明と、ジャンによる調査
兵団の現状の説明シーン」。そのそれぞれは説明ゼリフを単に喋らせるだけでは芸がないから
何か他のことをしながら説明させるという気を利かせたものなのかもしれませんが、同じトーンの
シーンが3つも連続してしまったために、ひどく単調で、集中力をそがれる出来になっていました。

今回の映画に対する代表的な批判意見の一つに「調査兵団の彼らの行動が馬鹿すぎる」と
いうのがあり、おそらくそういう声に対し町山さんがツイッターで「彼らは兵士ではなく、壁修復の
作業員」と解説したと思うんですが、その誤解を生んだのは、観客の理解力の無さではなく、
この一連のシーンの作りのまずさにあると思います。

実際、食堂のシーンでジャンが「調査兵団はほぼ全滅」「俺達は寄せ集め」とセリフで説明して
いるんですが、調査兵団の格好をしたみんながクバル隊長の前で「心臓を捧げよ!」という
原作と同じようなシーンを、一連の単調なシーンより先にやっちゃっているので、観客が彼らの
ことを調査兵団だと思ってしまうのは無理からぬことだと思うんです。

 ここら辺でかなりテンションは落ちてきてるんですが、とりあえず作戦がスタートし、巨人に
襲撃される調査兵団(じゃなくて作業員達でしたっけ…もう面倒くさいから調査兵団と呼ばせて
くれ!)。そしてエレン達のピンチを救うべく、シキシマ隊長とミカサが登場。ついに立体機動の
シーンが! ところがここで僕が「マイナス5億点ーーーー!!」と叫びたくなるような信じがたい
演出がなされていました…。
 普通にやれば超燃えるカッコイイシーンになるはずなのに、ここで唐突にハンジさんが立体機動の
説明をしてる回想シーンが入るんです。で、画面が変わるともうシキシマ隊長が立体機動で戦い中
なんですよ。で、その後もしばらくハンジさんの説明セリフが被さって流れて、その結果BGMも控え
めで…。いやもう、わざとアンチカタルシスを狙ってるのか?って思うしかないがっかり演出でした。

 その後は「シキシマとエレンの会話シーン」「エレン・ミカサ・シキシマの会話シーン」という、
またも同じようなトーンの単調なシーンがあって(一つにまとめられませんでしたかね?)、
 兵団達による唐突なエロシーンが始まるわけですが、僕はこのシーンに関しては「兵隊としての
緊張感がない!」とか「これはホラー映画のお約束でしょw」とか思う以前に、「いやいやいや!
すぐ側で人が見てるの分かってておっ始めるのかよ! で、こっちも負けじと始めちゃうのかよ!
軍艦島をハプニングバー代わりにするんじゃねえ!」と、あまりの展開に頭クラクラしちゃってました。

 で、ここからクライマックスバトルに突入するんですが、まず先程もあった立体機動シーンなん
ですが、巨人や建物の周りを高速で動き回っているわりには、人物に当たる照明に動きがない
ため、合成感が目立ってしまってガッカリでした。この後にエレンが立体機動するシーンは
地面で燃えてる炎の照り返しの照明の動きに気が使われていたので良かったんですがね…。

 まぁ他にフクシが死んで取り乱してるリルが、ソウダに抱えられていったと思ったら、いつの
間にやら爆弾積んだトラックの荷台に乗り込んでブチ切れてたり、サンナギが斧持って大活躍
してるけど、それなら中盤に「斧なんか役にたつのかよ~」と、ジャンあたりに馬鹿にされてる
前フリシーンを入れといた方が効果的だったんでは…? と思ったり、アルミンが「僕に考えが
あります」と言ってからの、音で巨人の注意を惹きつけるシーンでは、序盤のシーンで、客席で
聞いててもちょっとイラっとするくらい大きな音出してたあのブザーが鳴る機械をまず目立たせないと
ダメだろうと思ったり(手には持ってたんですが、ピエール瀧のヤジの方が目立ってたw)と、
色々と上手くないなぁ…と思いながら観てました。

 しかし、そんな感じでずーっとアンチカタルシスな演出・展開にイライラさせられていた分、
エレン巨人化シーンのカタルシスの爆発力は凄まじかったです。音楽もずーっと不協和音な
辛気臭い電子音だったのに、ここではストリングスとブラスでドーンと派手にきましたしね!
本当にここに全てのピークを持っていくために、わざとアンチカタルシスを狙っていたんでしょうか。
だとしても、ちょっと抑え過ぎだと思いますけどね! 後編は最初からもっとサービスお願いします!

 ちなみにエレンの巨大化の動機に関してですが、原作にあった母親の仇設定はなくなり、ミカサも
生きていたので、別に巨人を駆逐する強い動機もないですし、ヒアナに対して強い愛情も無かった
でしょうから、単純に胃袋の中で「このまま溶けて死にたくねー!」っていう死への恐怖と怒りから
巨大化しただけだと解釈してます。本当の戦う理由とかは後編で見つけるんじゃないのかなー。

 あ、あとSEKAI NO OWARIのエンディング曲は意外と良かったです。タイトルが出た時のもろ
怪獣映画的な音楽から一転してのドライなイントロは素直に格好いいと思いました。ここで情感
豊かなバラードとかが来なくて本当に良かった…。

 ということで、長々と文句を連ねてきましたが、最初に言ったように「期待していたゆえ」ですので
期待せずに観れば、映画自体の出来はそんなに悪くないとは思いますよ…。
まぁ僕は後編も「期待して」観に行きますが!

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by koshibaken | 2015-08-06 23:34 | 映画


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